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セッコウベニバナユチャ種子油について
Original Tsubaki Oil |
[椿油とは?] [なぜ椿油か?] [椿油の品質規格] [椿の語源] [Q&A] [油雑感] [HPマップ]
「セッコウベニバナユチャ種子油」とは? |
新しい食品・化粧品原料の椿油が登場!!
サトウ椿が、食品・化粧品用油脂としての新しい椿油をご紹介いたします。
その名は
「セッコウベニバナユチャ種子油」
(Camellia Chekiangoleosa Seed Oil)
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当社は、この度、「チェキアンオレオーサ」という和名の音の響きと、「浙江紅花油茶(セッコウベニバナユチャ)」という中国名の漢字の美しさ、また、紅色の花が魅力的な中国原産種の椿である「チェキアンオレオーサ(セッコウベニバナユチャ)」の種子油(椿油)を取り扱うこととなりました。
この「セッコウベニバナユチャ種子油(Camellia Chekiangoleosa
Seed Oil)」は、「チェキアンオレオーサ(学名 : Camellia chekiangoleosa H.H.Hu、中国名 : 浙江紅花油茶、浙江紅山茶)」という中国原産の椿から採取した椿油ですが、一般的な中国産の椿油であるユチャ油のようなサザンカ節(sect. Oleifera)の椿から採取した椿油(いわゆるサザンカ油)とは異なり、ツバキの仲間であるツバキ節(sect. Camellia)の椿から採取した椿油(いわゆるツバキ油)です。
当社は、この新しい化粧品原料となる椿油を使用するのにあたり、先ず、化粧品原料に使用する場合の国際的な化粧品成分の表示名称(INCI名)が未登録であったため、CTFA(The
Cosmetic,Toiletry,and Fragurance,Association
; 米国化粧品工業会)に対してINCI名の作成を申請したところ、平成18年6月27日、CTFAは、チェキアンオレオーサ(Camellia chekiangoleosa H.H.Hu)の種子から得られる脂肪油を、正式に「Camellia Chekiangoleosa Seed Oil」と命名いたしました。
さらに、当社はこのINCI名として命名された「Camellia
chekiangoleosa Seed Oil」に対応する日本の化粧品成分における表示名称の作成を日本化粧品工業連合会に申請したところ、平成18年10月4日、同会はそれを「セッコウベニバナユチャ種子油」と命名いたしました。
現在、当社はこの新しい食品・化粧品原料用椿油である「セッコウベニバナユチャ種子油(Camellia
Chekiangoleosa Seed Oil)」を配合した洗顔石けん(化粧品)を販売しておりますので、ぜひご愛用をお願いいたします。
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中国の椿、椿油について |
「中国にある椿はサザンカだけでツバキは無い。したがって、中国の椿油はサザンカ油であり、サザンカ油というのは中国の椿油のことだ。」と思われている方は意外と多いのではないでしょうか。
確かに、中国におけるサザンカ節(sect. Oleifera)植物群の代表的な種である「ユチャ(Camellia oleifera Abel)」の栽培面積は甚大で、また、日本に流通している中国産の椿油の大半はユチャ油といっても過言ではないので、そう思われても不思議ではありません。
しかし、中国は、今回ご紹介した「チェキアンオレオーサ(Camellia chekiangoleosa H.H.Hu)」の他にも、「トウツバキ(Camellia reticulata Lindley)」など、生産量は極めて少なくても「ツバキ(Camellia japonica Linné)」と同じ仲間のツバキ節(sect. Camellia)植物群から得られる椿油を生産しています。
実は、中国は「ピタルディ(Camellia pitardii Cohen Stuart)」、「サルウィンツバキ(Camellia saluenensis Stapf et Bean)」や「ホンコンツバキ(Camellia hongkongensis Seemann)」など、「ツバキ(Camellia japonica Linné)」という種を中心に、その亜種や変種などが中心である日本に比べて、ツバキ、すなわちツバキ節(sect. Camellia)植物群の種類が非常に多い国なのです。
詳しくは、椿の分類をご参照ください。 |
新しい化粧品原料である椿油の名称について |
INCI名 |
Camellia chekiangoleosa Seed Oil |
表示名称(化粧品) |
セッコウベニバナユチャ種子油 |
チェキアンオレオーサ(学名:Camellia chekiangoleosa
H.H.Hu、中国名:浙江紅花油茶)について |
1965年に発表されたツバキ節の新種で、中国中南部の山地に分布する小高木、現地では採油用に栽培もされている。
花は赤色で径10cmほど、一重の杯状咲きとなり、枝の先端または葉腋に単生する。
花弁は7個。雄しべは250個あり、長さ3.5cmで花糸は黄色。
外側の雄しべの基部はたがいに、また花弁とも合着しているが、内部の花糸は分離し、毛が生えている。子房は無毛。
花期は2〜3月。
萼と苞はコルク質で絹毛でおおわれ、果実が成熟するまで残存する。果実は木質で径5cm。
葉はツバキより大形で長さ10cm、幅5cm、楕円形で先はとがり、粗い鋸歯がある。葉の細脈は不鮮明。
2n=30の2倍体。
ツバキ節内の種間交雑は容易で育種素材として有望である。
(園芸植物大事典3 小学館 1989 ISBN4-09-305103-8
から抜粋) |
サトウ椿製品規格 |
セッコウベニバナユチャ種子油
椿 油
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〔セッコウベニバナユチャ種子油の特徴〕
1.脂肪酸組成について:
イ.不飽和脂肪酸について:
@オレイン酸について:オレイン酸の比率が非常に高いツバキ節植物群の特徴を有する。ツバキ油と同程度である(82%〜85%)。
Aリノール酸について:リノール酸の比率も低くない。サザンカ油であるユチャ油と同程度である(6%〜8%)。
ロ・飽和脂肪酸について:
@パルミチン酸について:肌への感触が良いために乳液やクリーム等の基剤に利用される固体成分であるパルミチン酸の比率が僅かに低い(6%〜8%、ツバキ油、ユチャ油は共に8%前後)。したがって、油全体のバランスが良く、常温でもパルミチン酸が溶解している原油(未精製椿油)の場合は、セッコウベニバナユチャ種子油の方がツバキ油とユチャ油よりも低温で白濁や固化しにくい椿油であると思われる。
Aステアリン酸について:パルミチン酸と同様に乳液等の基剤に利用されるステアリン酸の比率が僅かに低い(1.5%前後、ツバキ油、ユチャ油は共に2%前後)ので、油の状態が安定している原油時においては、本種子油の方がツバキ油、ユチャ油よりも低温下で白濁等しにくい椿油であろうことは、パルミチン酸のところで述べたとおりである。
ところで、脱ガム、脱酸や脱色等でリン脂質、遊離脂肪酸やカロチノイド系色素等の諸成分を除去し、さらに高温下での脱臭を行った後の精製椿油の場合は、飽和脂肪酸であるパルミチン酸とステアリン酸は共に結晶となって発生しやすくなる。なぜならば、これらの飽和脂肪酸は元々融点が高く、いつ結晶が発生してもおかしくないうえに、精製、すなわち様々な成分の除去や過度な高温処理という化学的、物理的操作等により油全体のバランスが崩れると、原油時にはみられた高級脂肪酸同士の連結が切れてしまい、それまで溶解していた飽和脂肪酸が結晶となって油中に現れてしまうからである。このため、例えば耐寒性の高さを期待されるドレッシングのベースオイルに利用するというように、椿油の使途によっては、飽和脂肪酸が有用で有益な椿油固有の成分ではあっても、「ウィンタリング」と呼ばれる操作(固体脂と液体油の分離工程)で、結晶として現れた高級脂肪酸を除去することが必要になる場合もある。
(※高級脂肪酸:動植物油脂の場合、炭素数が11以上の脂肪酸とされる。)
2.よう素価について:
84前後であり、ツバキ油のよう素価(78〜83)よりは高く、ユチャ油のそれと同程度である。これは、オレイン酸の含有量が高いにもかかわらず、リノール酸のそれも低くないことに起因するものと思われる。 |
当社では、下表のとおり、化粧品用油脂としての各種品質規格を満たすセッコウベニバナユチャ種子油を使用しております。 |
水分 |
0.10%以下 |
比重(20℃/20℃) |
0.911〜0.919 |
酸価 |
0.10以下 |
けん化価 |
185〜197 |
よう素価 |
78〜88 |
不けん化物 |
1.0%以下 |
過酸化物価 |
0.50以下 |
重金属 |
20ppm以下 |
ヒ素 |
2ppm以下 |
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